沖縄の伝統的な民家 – 1
沖縄は亜熱帯性気候で高温多湿の気候で台風も多いため、伝統的な民家は耐暑や耐風を考慮した造りになっています。
沖縄では風や水、火に対する自然崇拝の概念があり、風水や家相と言ったりします。
昔の沖縄の住居には沖縄の気候に合った、自然の風や光を取り入れるための工夫がいっぱいありました。
そんな沖縄の伝統的な民家について少しご紹介していきます。
伝統的な民家の特徴
昔の沖縄では、家そのものの間取り以上に大切にされてきたのは、敷地の形や地形、そして敷地内の建物や庭の配置でした。
一般的には「北が高く、南が低い」土地が良いとされ、(地域によっては異なる考え方もありますが)フンシー(風水)の考えを取り入れて気の流れを整えていたのです。
敷地の中に気の流れを取り込み、どのように留めるか――それが暮らしの安心や繁栄につながると考えられていたのでしょう。
配置図
一般的な民家の配置は道と接する南側に敷地に入る入口を設け、母屋の南側には大きな開口部を設け、台風から家を守るために敷地の周囲を屋敷林や石垣で囲っています。
敷地に入るとヒンプン・母屋・前の家・井戸・庭・フールなどがあります。 敷地の南側の空間を大きく取り、風や光を呼び込んでいます。 一般の家では門扉はなく、外から建物の中が見えないようにヒンプンがあります。ヒンプンを右側から入れば一番座の方へ行くのでお客様用の出入り口、左側から入れば台所の方へ行くので家族用の出入口でした。 またヒンプンには目隠し以外にも防風効果や外と中を柔らかくつなぐ役割や魔よけの意味などもあります。
※図は沖縄県土木建築部住宅課「風土に根ざした家づくり手引書」より
外観
屋根は寄せ棟で、茅葺か瓦が乗っていました。 沖縄の民家の大きな特徴として雨端(アマハジ)があります。 軒が低く、せり出すような長い軒のことで、強い雨が室内に入るのを防いだり夏の強い日差しが部屋の奥に入らないように工夫されています。 また伝統的な民家では玄関がなく、アマハジから直接室内に入るようになっています。アマハジは接客の場としても使われ、室内と庭をゆるやかに繋いで解放的な空間となっています。 床は高く上げて床下の風が良く通るようになっています。 また小屋裏は大きくとられ、室内が暑くなるのを防ぐようになっています。
沖縄には赤瓦という赤色の粘土瓦と、セメントで作られたセメント瓦というものがあります。
赤瓦は18世紀の初めころからありましたが、明治22年までは民間での瓦葺きは禁止されており、解禁されてからも赤瓦は高価であった為、民間では茅葺きの民家が多かったようです。
しかし戦争中、日本は茅葺の屋根を禁止した為、赤瓦よりも安価で台風にも強いセメント瓦が次第に増えていきました。
セメント瓦は昭和初期に台湾より伝わったと云われていて、戦後は「復興瓦」として普及しており昭和35年には28社ものセメント瓦工場が操業していたそうですが、徐々に鉄筋コンクリート住宅に変わり今ではセメント瓦工場は1社も残っていません。




